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スケブノート

スケッチブック(小箱とたん先生)のことや漫画の感想を書くブログ

「R-中学生」 1巻・2巻・3巻 ゴトウユキコ先生 感想 

  

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どこにでもいる、ある中学生達の些細な悩みや悶々とした日々を、少し性的に、とても馬鹿らしく、時たま真摯に描いた漫画。

 ネタバレあります

1話ずつ感想を書きます。

 

 

 1巻

R-中学生(1) (ヤンマガKCスペシャル)

R-中学生(1) (ヤンマガKCスペシャル)

 

 

1話「赫色少年の素晴らしき日々

汚物の匂いに性的興奮を覚える、伊地知学の話。

冒頭のゴミ出しジャンケンが懐かしい。

そのゴミを漁り匂いを嗅ぐ伊地知君。汚物フェチだそうです。

フェティシズムによるズレが彼女との別れに繋がった話でした。女子よりも匂いを優先した伊地知君は、歪んではいますが、ある意味芯が通っていると思います。

 

 

2話「黒ブラジャーの君」

クラスメイト、稲沢操の黒ブラジャーが気になる、吉倉俊也の話。

シリアスな中にも馬鹿らしい要素があり、最後はセンチメンタルな気持ちになる話でした。あの状況でもブラジャーをみようとする吉倉君の執念が面白い。最後、クラスメイト達の意外な一面を見た吉倉君の独白が良かったです。

 

3話「青すぎる春」

アダルトDVDを母親に没収された堀田稔の話。

最後の頁の、憑き物が落ちたような清々しい表情の堀田君が印象的。キャラクターのギャップを描くシーンはとても好みです。堀田君の好感度が上がりますね。ただ、友達のお姉さんで自慰行為をした報告は、お下劣すぎて笑いました。

 

 4話「椿の蕾」

大人っぽくなりたいと悩む、小柄な千賀椿の話。

千賀ちゃんのお姉さんの助言がとても良かったです。子供でいることができる期間は短いですから。最後、千賀ちゃんひどい顔になっていましたけど、遅かれ早かれプールに入るとあの顔になっていたと思います。

 

5話「その球児・・・」

文武両道、彼女もいる伴太樹が、伊地知・吉倉・堀田の関係に憧れる話。

伴君は真面目故に少しズレています。確かにあの3人はいつも下品でお馬鹿なことを言い合い、とても楽しそうにしているので憧れる気持ちは分かります。女子からは白い目で見られていますけど。

彼女の早乙女さんは別れずにそのままの関係でいてくれたので、伴君のことが大好きだということが分かります。

 

6話「ハニーデイサービス」

調べ物学習の授業中に、おばあちゃん・おじいちゃん子の中田静流が暴走する話。

冒頭にキャラクターの二つ名がテロップで表示されていたのですが、伊地知君、堀田君、千賀ちゃんのテロップが、事実とは言えただの悪口で笑いました。

本編ではあるトラブルが起きて、それを対処する中田さんがとても格好良かったです。ただ、その対策としてズボンとスカートを脱がせるのはどうかと思いました。その策に素直に従うみんなが可愛かったです。

堀田君が中田さんのフルネームを使って披露した、ドセクハラの言葉遊びが面白かったです。下手したら訴えられるような内容でしたけど。

 

 

2巻 

R-中学生(2) (ヤンマガKCスペシャル)

R-中学生(2) (ヤンマガKCスペシャル)

 

 

7話「夢で逢えたら①」

バレーボール部、喜多未知の恋の話①。

2巻から登場、喜多さん。眉毛が濃くて可愛いです。

映画館での伊地知君と稲沢さんの三文芝居が面白い。演技が下手すぎます。吉倉君と喜多さんは騙されていましたけど。

それにしてもこの漫画、男の子・女の子関係なく、表情が崩れる描写が多くて笑えます。

あと冒頭の、給食の残り物争奪ジャンケンが懐かしく思いました。

 

8話「夢で逢えたら②」

バレーボール部、喜多未知の恋の話②

 肝試し中パフェの話になり、吉倉君が喜多さんに「甘いもんはキライ?」と尋ねると、喜多さんは何度も力強く「好き」と吉倉君に言うシーンがよかったです。ここの「好き」に込められたものは、甘いものに対してではなく吉倉君に対しての気持ちが込められているのだと思います。

 

9話「夢で逢えたら③」

バレーボール部、喜多未知の恋の話③。

喜多さん→吉倉君→稲沢さん、一方通行状態。そして、喜多さんと稲沢さんは親友同士と、やるせない状況になっています。

肝試しの時の様子を見て、伊地知君も吉倉君の気持ちに気づいたのですが、中田さんに絞られていた状況でよく気づきましたね。伊地知君、結構周りを見ているところもあるみたいです。

 

10話「夢で逢えたら④」

バレーボール部、喜多未知の恋の話④。

突き飛ばされた喜多さんを吉倉君が避ける描写がありますが、9話で突き飛ばされた稲沢さんを吉倉君が支える描写の対になっていて、悲しいシーンでした。体育館での喜多さんが稲沢さんにとった行動は、吉倉君に対する思いへの決別にもなっているのだと思います。

104頁の泣いている喜多さんを見て、とても辛い気持ちになりました。ですが、最後には何事もなかったかのようにみんなでパフェを食べに行き、笑顔の喜多さんに少し救われました。

 

11話「トゥー・ヤング①」

教育実習生に堀田稔が本気の恋をする話①

現実でも出戸先生みたいな親しみやすい性格の人は、大人気になると思います。

出戸先生に下の名前で呼ばれて、照れる吉倉君が可愛かったです。

 

12話「トゥー・ヤング②」

教育実習生に堀田稔が本気の恋をする話②

西野カナを石の中と勘違いする堀田君が面白かったです。少し無理があるような気もしますけど。

 

13話「トゥー・ヤング③」

教育実習生に堀田稔が本気の恋をする話③

堀田君、ストーカ行為はよくないですね。完全に恋は盲目状態。 

 

14話「トゥー・ヤング④」

教育実習生に堀田稔が本気の恋をする話④

平子先生を陥れるために利用された千賀ちゃんが一番の被害者だと思います。

馬鹿にしつつも堀田君の恋を応援している、伊地知君と吉倉君が良かったです。なんだかんだで友達思いの2人。

 

15話「トゥー・ヤング⑤」

教育実習生に堀田稔が本気の恋をする話⑤

4人で撮った写真が描かれている扉絵が良かったです。満面の笑みの堀田君と出戸先生、照れている吉倉君、無表情の伊地知君、対比が面白い。

堀田君の恋の行方は、あのような結果になりましたが、第2話同様すぐに立ち直りいつものテンションに戻る堀田君の強さが格好良かったです。

 

 

 

 

 3巻

 

16話「椎名さん」

不登校の椎名歩を学校に来させようとする話。

椎名さんを説得しに行く理由が、伊地知君・吉倉君・堀田君、3人とも動機が不純で、個性がでています。堀田君の言った「クラスメイト割引」は笑いました。

 

17話「大蔵泰造」

女装趣味のある、大蔵泰造の話。

稲沢さんは喜多さんのエピソードの時もですが、人の為に行動するのが好きなのだなと思います。

ここで、伊地知君のフェティシズム発症のきっかけは椎名さんだということが判明。繋がってきました。

 

18話「大蔵くんちに行く」

大蔵泰造の家に行く話。

女装した伊地知君と吉倉君が可愛かったです。堀田君は面白かったです。

 

19話「パラダイス名器」

女装した4人がヤンキーに絡まれる話。

扉絵の伊地知君と吉倉君がとても可愛いです。

ヤンキーに絡まれた際の対処法が、下品すぎる。その光景を見た、いつも仏頂面の椎名さんの笑顔が良かったです。誰でもあの現場を目撃したら、笑ってしまうと思います。

 

20話「椎名さんち」

椎名歩の家に行く話。

伊地知君の様子がおかしくなってきましたね。不穏な雰囲気。

 

21話「開幕」

大蔵泰造が女装趣味を打ち明ける話。

自分の嗜好を言うのは勇気のいることだと思います。クラスのみんなに受け入れられて良かったです。そんな大蔵君とは対照的に、ついに伊地知君の話に入っていき、ここから話が重くなります。

 

22話「うわさ」

伊地知学のフェティシズムがみんなにバレる話。

伊地知君の行為の内容を聞いて、クラス中がどよめく中、堀田君だけがいつものようにお馬鹿なリアクションをしていて安心しました。それに伊地知君を庇う伴君が格好良かったです。

 

23話「勇者の称号」

堀田稔と伴太樹が伊地知学の家に、ある差し入れを持っていく話。

伊地知君の嗜好を俺にも伝授しろと言う堀田君が面白かったです。性に対して愚直に追及する姿勢が良い。この馬鹿らしい発言に癒されます。

 

24話「まっくろけっけ」

伊地知学がいじめられる話。

いじめの描写がきついですね。愛着の湧いているキャラクターがひどい目に合うシーンは、読むのが辛くなってきます。184・185頁の、吉倉君と稲沢さんの口論のシーンが印象的です。いつも一緒にいる親友だからと言って、気づかないことも当然あると思います。現に稲沢さんは喜多さんの気持ちに気づくことができなかったので。

 

25話「図書室の乱」

伊地知学の為にある計画を立てる話。

堀田君の「伊地知は俺達の親友だよな」という問いかけに、「当たり前だろ」と力強く返答する吉倉君のやり取りに感動しました。友情って素晴らしい。

 

26話「味方」

伊地知学の為にある計画を立てる話②

卑猥な単語を、恥ずかしがらず連呼する稲沢さんが面白かったです。伊地知君を庇う為の行為がとても馬鹿らしいです。しかし、堀田君達らしさがでていてとても良いなと思います。やっていることは下品なのに堀田君達が格好良く見えて仕方がないです。

 

27話「チンブラ四天王、最後の聖戦」

計画が完了する話。

ここ数話で溜まった鬱憤が晴らされて、スカッとしました。伊地知君を馬鹿にするクラスメイトを諭す千賀ちゃんが格好良かったのと、中田さんが怖かったです。喜多さんが止めていなかったら大惨事になっていたかもしれません。クラスのみんなも伊地知君のしたことを許しているらしく、一先ず良かったです。

 

最終話「終焉」 

 緊急全校集会の話。

性を抑圧しようとする先生に向かって、中田さんを口火に中学生達の性に対する叫びと、ある単語を全員で合唱します。自分も一緒に叫びたくなる程、とても心に響きます。感動しました。メインキャラクター全員愛らしいです。

264頁の中田さんの台詞、自分はとても共感できます。この台詞はゴトウ先生がこの漫画で伝えたかったことなのではないかなと思っています。

最後に、吉倉君と堀田君にお礼を言う、涙を浮かべた伊地知君が良かったです。

お馬鹿だけど「R‐中学生」らしい最終回だったと思います。

 

 

〈全体感想〉 

1巻は各キャラの性癖を描いた笑える内容。2巻は失恋を描いた切ない内容。3巻は特殊な嗜好に対する拒絶を描いた重い内容。巻毎に受ける印象が大きく違う漫画でした。

1巻を読んだ段階では想像ができなかったシリアスな展開になり、困惑しました。伊地知君の特殊な嗜好はただのキャラクター付けだと思っていたので、あそこまで深刻にとりあげて描くとは想像もできませんでした。しかしそれを読み終え、最終回を読んだ時の充実感と開放感がとても気持ち良かったです。

全話通して、堀田稔の存在がとても大きかったと思います。1・2巻はお馬鹿な言動が目立つギャグキャラクター。3巻は重たい空気を和ませてくれる清涼剤の役割。伊地知君絡みの話は、堀田君がいなかったら読むのが辛かったと思います。3巻の後半くらいからお馬鹿なことをしているはずなのに、堀田君がただただ格好良く見えました。

中学生達がメインの漫画なので、自分の中学生時代を思い出すなど、懐かしい気持ちにもなりました。

性的で馬鹿馬鹿しく、後味がとても良い青春漫画だと思います。

 

 

〈ゴトウ先生がTwitterで公開した絵〉

神社詣りに来ている伊地知君・吉倉君・堀田君。こういった日常話をもっと見たかったです。

 

「R-中学生」・「水色の部屋」・「きらめきのがおか」のキャラクター集合絵。なんといってもお調子者全開でポーズをとっている中央の3人がとても良いです。笑顔で手を掲げている稲沢さんも良いですね。

 

 「R-中学生」のキャラクター集合絵。伊地知君とても男前になりましたね。嫌々写真を撮られているような表情が良い。対照的に両手ピースの吉倉君がとても可愛いくて好き。極めつけは心霊写真のように映り込んでいる堀田君が面白い。らしさがでています。

 

 

 

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