スケブノート

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「スコアブック 小箱とたん作品集」 小箱とたん先生 感想

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廃部寸前の野球部を立て直す為に、マネージャーとして入部した本間九州子。そんな変わり者の彼女と野球部員、そして多数の動物達が織り成す、ハイテンションアニマルスポーツコメディー。

 

ネタバレあります。

 

 

スコアブック~小箱とたん作品集~ (BLADE COMICS)

スコアブック~小箱とたん作品集~ (BLADE COMICS)

 

 1「本間さんと2人と5匹」

野球部員が2名しか在籍しておらず、廃部寸前と嘆く遊佐君。しかし、西川君はマネージャーを加入すれば何とかなると楽観している様子。現実問題、文化部ならともかく野球部が部員数2名ってあり得るんですかね。生徒の人数自体が少ない且つ男子の数が少ない学校だとあり得るのかな。

そんな話を聞きつけて、本作の主人公・本間九州子さんが牛に乗って颯爽と登場。着地を失敗するという詰めの甘さが良い感じですね。作者の小箱とたん先生が福岡出身なので、九州子という名前の由来は出身地からきていますね。

九州子さんは自分をマネージャーとして入部させれば牛(モーくん)猫(みーこ)兎(うさこ)にわとり(こけこ)(亀)セマルハコガメの3匹と2羽を一緒に入部させるという無茶苦茶な提案をしてきます。亀だけ愛称ではなくて、種類なのが面白いですね。

普通、動物が入部はあり得ないですが、今の野球部は文字通り猫の手も借りたい状況なので、遊佐君はこの一味の入部を許可します。部員2名・マネージャー1名・動物たくさんと、賑やかにはなりましたけどより一層ちゃんとした野球部員が入部しないであろう状況になってしまったのが本末転倒で笑えます。それにしても九州子さん、一晩で動物達の部室をDIYで拵えているのでとても器用な方ですね。あと、動物たちに対する愛が伝わってきます。

九州子さんが野球に拘る理由は、幼いころのお父さんとの約束が関係している様子。九州子さん性格は変人ですけど、ボーイッシュな見た目はとても可愛いと思います。

 

2「本間さんと甲子園の夢」

相変わらずやる気のない遊佐君と西川君。そんな遊佐君に喝のパンチを打ち込む九州子さん。1話でも殴っていましたけど、何気に暴力系ヒロインですね。

甲子園への熱意はまだあるという遊佐君を見て、動物達を使用し猛特訓を開始する九州子さん。「彼らは特訓のエキスパーツ!!」

肝心の特訓なんですが、モーくんの特訓は脚力を鍛えるために良いと思いますけど、あとの動物達の特訓は滅茶苦茶ですよ。そしてにわとりの「こけこ」を「ピーちゃん」と、地味にスケッチブックネタを投入。

こんなヘンテコな特訓ばかりでしたが、地味に効果はあった様子。しかし、ここで重大なことが。九州子さんは「甲子園」を仔牛と戯れることができる夢の園「仔牛園」と勘違いしていたことが発覚。遊佐君に仔牛はいないと言われて、真っ白になる九州子さんが面白いね。凄くショックを受けています。野球にあまり関心がなさそうで動物好きな九州子さんが熱心になっていた理由が分かりました。

 

3「練習試合と卓球部員」

こけこで遊んでいる遊佐君。ぶにょぶにょしていて触ってみたいね。

そんな時、九州子さんの提案により卓球部相手に卓球の練習試合をさせられる遊佐君と西川君。なんで卓球なんだと迫る遊佐君に対して、「作者が野球のルール知らないんですよ!!」とメタフィクション且つ衝撃の発言をする九州子さん。野球のことをよく知らないのに野球がテーマの漫画を描こうとする見切り発車具合が面白い。同作者のスケッチブック3巻30話15頁「野球」のエピソードをみるに、野球のことをよく分かっていないことが分かります。たぶん本当なのでしょう。

そんなやりとりの最中、名もなき卓球部員と九州子さんが互いの部の誇りをかけての言い争いが勃発。「甲子園」を「仔牛園」と勘違いしていたのに野球の楽しさを分かっているのかな。九州子さんが卓球部の1人に催眠術を掛けたことによって、なんやかんやで卓球部の2人が野球部に入部し、動物達も加えれば部員は9人になりました。

つぎはぎだらけのメンバーだけどこれで野球ができるよ。

 

4「本間さんVS原那須香1」

ランニング指導をしている九州子さんの前に牛に乗った女の子登場。名前は原那須香さん。九州子さんとは中学の同級生らしいです。那須香さんも「仔牛園」を夢見てマネージャーになっている様です。中学生の時の九州子さんはまだまともそうですね。それにしてもこの2人が中学時代に所属していた「うし部」の存在が気になって仕方がない。農業に理解のある中学だったんですかね。

そして、挑戦状を九州子さんに渡す那須香さん。さっきからお約束を悉く破る九州子さんが面白い。挑戦状の内容は要するに、九州子さんの野球部を乗っ取りたいらしいです。あんな野球部奪っても仕様がないと思うんですけど。

この勝負に自分へのメリットがないと至極真っ当なことを言う九州子さん。勝ったら、那須香さんの牛太郎を貰えると聞き、即座にやる気がみなぎっています。九州子さんって動物全般好きなんだろうけど、特に牛が好きなのかな。

勝負は牛に乗って最初に博多駅に着いた方が勝ちという、周りの人に極めて迷惑な勝負。やはりこの舞台も福岡県でしたか。那須香さんは牛太郎もろとも電車に乗車し博多駅を目指すという技を使います。電車の中だろうと牛太郎に乗っていればセーフという自分ルールが面白い。しかし、九州子さんも全く同じことを考えており、勝負は引き分け。似た者同士だってはっきり分かりましたね。ここ笑ったなぁ。

 

5「本間さんVS原那須香2」

さすがに危機感が募ってきている遊佐君と、半ば諦めている残りの3人。こんなうだつが上がらない日々が続けばやる気もなくなってくるよね。

そんな時、九州子さんが作った牧場に女の子がうさこと遊んでいる様子。この女の子の可愛さに惹かれた西川君が牧場にいる動物を利用してなんとかマネージャーに引き込もうとします。まあ、九州子さんは今のところトラブルメーカーですからね。人間の部員を2人増やしたのは凄いですけど。

63頁下段のみーこがリアルタッチに描かれていて可愛い。そんな最中、元卓球部の2人が「マネージャーになりませんか」と直球のお願いを試みて、あっさりOK。良かったね。

とんとん拍子に話が進む状況に疑問を持つ遊佐君と九州子さん。「遊佐ぽんのゆーとーりです!!」いつの間に遊佐君にあだ名つけたんですか。

この女の子の正体は那須香さんでした。髪の毛を後ろで縛っているだけで変装は無理があると思いますけど、髪を縛っている那須香さんはとても可愛いですよ。

正式なマネージャーになるべく「人間の部員を5人集める」九州子さんと那須香さん。結果、両者とも動物を5匹ずつ連れてきます。動物が豊かな街ですね。絶滅したニホンオオカミまで九州子さんは連れてきました。これにより、晴れて那須香さんも野球部マネージャーに加入。ただ、牧場が動物だらけになってしまいました。もう、野球部辞めて飼育部に変えたらいいのに。

 

6「無礼人登場」

 このメンバーでやるしかないと悟った遊佐君達は、九州子さん・那須香さんの先輩(うし部の)である無礼人と名乗る監督が率いる草野球の小学生チームと練習試合をすることになる。

無礼人のチームが勝てば野球部を乗っ取りたいらしい。無礼人もうし部の先輩というだけに動物が好きなようですね。そんな得がない勝負にやる気がなさそうな九州子さんでしたが、勝てば黄金の牛を貰えると聞き、勝負を受けることに。この単純さが可愛いね。九州子さん牛好きだなぁ。

勝てる確率93%と言っており、自分のチームを信頼している九州子さんが良いね。まあ、適当な発言なんだろうけど。

そんなわけで練習試合へ。

 

7「本間チームVS無礼人チーム(前編)」

 練習試合当日。動物だらけのチームに当然のように疑問を持たれる。馬鹿らしくて帰ろうとする子供たちをなんとか止めようとする無礼人。人望がなさ過ぎて笑いました。

試合開始、当然動物達は戦力にならず、頼みの綱の人間の部員も特に活躍することもなく、6回表で28対0。こんなの普通はコールドゲームでしょ。

98頁、九州子さんの「うちの人間も動物並ってことでしょ」とさらりと毒を吐いていて面白かったね。

状況を打開するために、那須香さん・九州子さんが代打で出場。なぜか人間の部員の打席で代打を告げるという。九州子さんは人間の部員の信頼度は動物達以下の様です。

 

8「本間チームVS無礼人チーム(後編)」

九州子さんのホームランとフォアボール戦法で同点に追いついた本間チーム。九州子さんそんなに野球上手いなら最初から選手で出てよ。完全に4番でエースじゃん。

同点のまま9回裏へ、無礼人が「代打俺」で打席へ。九州子さんのジェノサイドボールをライト方向へ痛烈な打球を飛ばしホームを狙うも、那須香さんと遊佐君の中継プレーとキャッチャークマ太郎の強烈な張り手により本塁タッチアウト。この本塁クロスプレーのタッチアウトは野球の盛り上がるシーンの一つですね。

無礼人を攻撃したことにより、野生の血を思い出したクマ太郎。さらに猪の「いのしんさん」まで暴れだして少年漫画特有の暴走する展開に。

この2匹がモーくんに襲い掛かるが、主審が止める。この主審、九州子さんのお父さんの様です。なぜか牛の仮面を被っているという、親子揃って牛好きですか。ここの一連のシーン無秩序すぎて笑いました。「高原の野菜連盟」略して高野連って面白い。

後日九州子さんが園長を務めている牛牧場「モーモーファーム こうしえん」へ。結果的に九州子さん達の夢は叶った様子。

力技で物語を締めくくった形になりましたけど、このナンセンスさが最高。

 

 

「スケッチブック ショートコミックスペシャル つちのこ」

ツチノコを見たというケイト。絵が可愛い。そういう類のものが好きな根岸君が食いつく。もちろん生き物大好きな栗ちゃんも食いつく。好奇心旺盛な空も興味をもっている様子。このノリの良さが良いね。

日曜日、空・ケイト・栗ちゃん・根岸君の4人で山へツチノコ探しに。目撃した場所について早々、ツチノコ発見。しかし栗ちゃんによるとアオジタトカゲというツチノコとは関係のない動物だった。それを知らずに一人で格闘する根岸君。根岸君はこういった不憫な役が似合うね。

 

 

〈雑感〉

作者のスケッチブック以外の唯一の単行本。全体的なノリは動物を登場させたナンセンス且つハイテンションなコメディーで、雰囲気はスケッチブック出張版やショートコミックに近いです。とたん先生ってこういった動物が主役のギャグ漫画を描きたいとか思っているんじゃないかな。

ナンセンスなギャグだけではなく「甲子園」を「仔牛園」・「挑戦状」を「超・戦場」といったとたん先生得意の言葉遊びも随所に投入されています。

とたん先生のギャグ漫画また読んでみたいね。スケッチブックもギャグといえばギャグですけど。

 

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